訪問入浴との違い
人員基準は?
訪問介護と訪問入浴は、どちらも利用者が自宅で介護サービスを受けられるという点で共通していますが、サービスを提供するために必要な人員基準に違いがあります。それぞれのサービスの特徴を理解することで、自分に合った仕事を見つけやすくなるでしょう。
訪問介護は、基本的に介護職が1名で利用者宅を訪問し、食事や入浴、排泄の介助といった身体介護と、掃除や洗濯、調理などの生活援助を行います。状況に応じて、複数名のヘルパーが訪問することもありますが、基本的には1名で対応します。一方、訪問入浴は、看護師1名と介護職員2名の合計3名で1チームを組んで利用者宅を訪問します。専用の浴槽を運び込み、自宅のお部屋で入浴サービスを提供します。看護師は利用者が安全に入浴できるように健康状態を確認し、介護職は入浴の介助や浴槽の設置、撤去などを行います。このように、訪問介護と訪問入浴では、人員基準に大きな違いがあることが分かります。訪問介護は1名で対応できる範囲のサービスを提供するのに対し、訪問入浴は複数名で連携して、より専門的な入浴サービスを提供します。
求められる資格は?
これから介護の仕事に就きたいと考えている方は、訪問介護と訪問入浴の違いについて知っておくことが大切です。介護職に求められる資格も、両者の違いです。
訪問介護は、食事、入浴、排泄の介助など、日常生活の様々な場面で利用者様をサポートする仕事です。そのため、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)以上の資格が必須となります。この資格は、介護の基本的な知識や技術を学ぶもので、介護の仕事をする上での基礎となります。
一方、訪問入浴は、看護師1名と介護職員2名のチームで利用者様のご自宅を訪問し、専用の浴槽を使って入浴介助を行うサービスです。介護職に関しては、無資格の方も働くことができます。ただし、入浴介助は体力を使う仕事でもあるため、資格の有無に関わらず、介護の経験がある方が採用されるケースが多いです。また、訪問介護と訪問入浴のどちらの仕事でも、移動手段として車の運転が必要になる場合が多いため、運転免許を持っていると就職活動で有利になることもあるでしょう。
用いる備品の違いとは?
訪問介護と訪問入浴は入浴方法が大きく異なるため、使用する備品にも違いがあります。
訪問介護では、利用者の自宅にあるお風呂を使って入浴介助を行うため、特別な備品は基本的に必要ありません。利用者ご本人が普段使用している石鹸、シャンプー、タオルなどを使用します。場合によっては、入浴用の椅子や手すりなどの福祉用具を使うこともありますが、これらは事業所が用意するものではなく、利用者宅に設置されているものを利用します。つまり、訪問介護では介護職自身が持ち歩く特別な備品はほぼ無いと言えるでしょう。
一方、訪問入浴では、訪問入浴専用の浴槽をスタッフが利用者のご自宅に持ち運び、その浴槽で入浴介助を行います。そのため、持ち運び可能な専用浴槽、お湯を温めるためのボイラー、排水ホース、担架、防水シートなど、入浴に必要な一式を訪問入浴車に搭載しています。また、感染予防のために使い捨てのビニール手袋やエプロンなども使用します。訪問介護と訪問入浴では、このように使用する備品が大きく異なるのです。
訪問介護をより知るために!
今注目されている訪問介護
少子高齢化が進む今の日本において介護の需要はますます高まるばかりですが、その中でも特に注目を集めているのが特定事業所加算で唯一報酬がプラスになった「訪問介護」です。マイナス面ばかりが取り沙汰される介護業界において、訪問介護はこれから先も拡大が予想される事業だといえるでしょう。
READ MORE